六カ国からの留学生と学ぶ「地理総合」
六カ国からの留学生と学ぶ「地理総合」
去る2024年11月28日(木)、本校の図書館において、六カ国からの留学生を招いた国際交流型の「地誌学習会」が行われました。
2022年から全国の高等学校で必履修科目となった「地理総合」の科目では、それ以前の地理Aの科目に比して、以下の3点が大きく重視されています。
A 地図や地理情報システムで捉える現代世界
(1) 地図や地理情報システムと現代世界
B 国際理解と国際協力
(1)生活文化の多様性と国際理解
(2)地球的課題と国際協力
C 持続可能な地域づくりと私たち
(1) 自然環境と防災
(2) 生活圏の調査と地域の展望
例年本校では、一学期の前半には「防災」の授業、一学期の後半には「地形と地図情報」の授業、二学期の前半には「気候と環境問題」の授業を行っています。
そして今回の二学期の後半で履修する「地誌学」の内容では、実際に「国際理解を伴う授業」を行います。机上の学習のみではなく、発表型の学習経験は、自分たちが学んでいる内容をファクトチェックする事にもつながるので、地理の学習が暗記のみではなく、実生活に役に立つ学問に触れているということを実感してもらうのです。
当日は都心にある「新宿日本語学校」様より、六カ国からの留学生の方が来校されました。具体的には、①タイ、②ミャンマー、③カザフスタン、④ロシア、⑤アメリカ合衆国、⑥パラグアイからの留学生の方々です。日本に来て数ヶ月の方でも、日本語の能力はかなり上達しており、授業に参加した生徒達は相当な学習刺激を受けていました。
いくつかの生徒の質問に対する感想や意見を紹介します。
【質問】:留学生の出身国(発表した国)に関して、最も心に残った留学生からの言葉は何だろうか(論述回答形式)。
・(タイの方と話した生徒の感想)あまり話す時間がなかったが、地理的な内容だけでなく、日本人が好むものだと思い込んでいたものが、タイの方も好きでそのような共通点からも交友を深められた。他の班の発表時間の間でも反応をしている方もいたことからも、面白いなどの感情は言語がなくても分かち合えると感じました。
・(パラグアイの方と話した生徒の感想)日本とパラグアイとの距離は遠いですが、多くの面でつながっていますと話していただき、距離は関係ないんだ、と感じることができた。
・ロシアは日本人のように授業の内容はみんな同じではなく、人それぞれ勉強するものが違うと思った。
【質問】:日本人として、今後来校した留学生の国(発表した国)に行ってみたときに、心がける行動やマナーとは、どのようなものだろうか(論述回答形式)。
・(タイ)タイの人は温かくフレンドリーという性格な方が多いということで、人とたくさんお話をするのがいいのかなと感じました。みんなが同じというわけではないと思いますが、最低限の日本でのマナーに気をつけながら積極的に話すことで、自分もだんだんとタイについて知れて、その国の人と馴染んでいけるのではないかと思いました。
・(ロシア)ロシアだけに限らないかもしれないが、今回調べていく中で、日本では普通な「こっちおいで」のジェスチャーなどがロシアの人には、あまり良くないらしいので、ジェスチャーなどを日本と同じようにやらないことを心がけ、その現地の人などに聞けるときは聞いていきたい。
・(カザフスタン)カザフスタンの心がける行動やマナーはあいさつ。人々は合うとき、握手するけど、この握手は普通ではない。カザフスタンでは対面する人が2つの手を使っていて、それに対面する人は良い友達なら、抱擁も良いこと。
・(アメリカ合衆国)アメリカではお店に入る際、Helloと声をかけるのがマナーなので心がける。また、食事の際にお皿は持たないなど日本とは違うマナーが多いため心がける。
(その他、多くの生徒からかけがえのない感想が集まっています)
本校では、日本全国の高等学校で地理総合が必修化される以前から、実践的な地域探究(巡検)、防災教育、地図学習、地理情報システムを活用した地理教育の実施に努めています。