令和三年度 明法中学校 修了式(卒業式) 校長式辞
令和三年度 明法中学校 修了式(卒業式) 校長式辞
卒業、おめでとう。
振り返ってみますと、2年数か月前から新型コロナウイルに対する不安や脅威が高まり、現在も日本中、世界中に感染が拡大し、日常生活や社会生活への大打撃となって、学校生活や教育活動においても計り知れない影響を受けた2年数か月でありました。新型コロナの影響により、授業の在り方も変えざるをえなく、また中3年生で行う修学旅行など楽しみにしていた行事の中止や縮小、部活動においては公式戦の中止などもあり、あるべき教育活動が後退せざるを得ないなどにより、十分に学校生活を楽しむことが出来ないなど、想定外の経験となりました。卒業生の皆さんは、そんな中でも、学校では、明るく、元気に振る舞っていたことを思い出します。時折、授業観察にいくと、中3年生は授業に対する取り組みがよく、積極的な姿で取り組み、元気に担当の先生に質問をしていた姿を思い出されます。そんな姿を見ながら、校長先生にいい授業の様子を見せようとしている思いやりも感じ、少しずつ成長している様子を頼もしく感じた次第です。
さて、3月5日には高校生の卒業式を実施し、卒業生には、大学等などの上級学校で学問を深め、専門性を高め、自分を磨き、果敢にチャレンジする精神をもつこと。そして、自らを成長させるために、現在活躍している若者の姿を例にあげ、「かっこいい若者」、「挑戦する若者」になるようにと、エールを送りました。本日、卒業する中学生の皆さんにも同じように言えることです。
皆さんは、これからの高校生活においては、立派な若者です。新たな高校生活において「かっこいい高校生」、「挑戦する高校生」であってほしいと思います。そのためには、もう一度、原点に振り返り、新たな気持ちで学校生活を送ってほしいと思います。特に、「時間を守ること」、「場を浄めること」、「礼を正すこと」、そして、自ら「学ぶ志をもつこと」です。この「時を守り、場を浄め、礼を正し、学びに向かう。」ことを一つ目の良き習慣として、実践的に取り組んでほしいと思います。
さて、皆さんが活躍する社会は、今とはかなり違っていると思われます。経済の構造改革による新たな社会変革、生き方や生活の変革が起きていることでしょう。世界中の国々と競争しながら、一方では共存共栄していく日本には、厳しい時代が到来し、激しい社会がやってくることでもありましょう。それを乗り越え、切り抜ける力、解決する力ととなるのは、もう一つの良き習慣身にあります。
それは、「失敗しても恐れず、継続していく気持ちをもつ。」、「結果ではなく、やり切ったかどうかに意味を見出す。」、「自分流の目標シートを作成し、毎日取り組む。」、「分からないことはその日のうちに、速やかに解決しようとする気持ちをもつ。」、「真剣に本を読む。」こうしたことを、もう一つの良き習慣として、実践を通して身に付けることで、厳しい、激し社会を乗り切ってください。また、このことを通して、「かっこいい高校生」「挑戦する高校生」を目指してください。
最後に、今から2300年ほど前、古代中国に15歳で学びに志した人がいます。孔子の直系と自認する思想家で殉子(じゅんし)いう人物です。15歳で学びに志した荀子は次のように言っています。「志をもって目に見えぬ努力を積み重ねない者には、素晴らしいことが訪れるはずはない。また、目につかぬところで手を抜くものには、輝かしい成果が上がるはずがない。」と。このように、継続的に学ぶことで成果が出てくることを説き、学びには忍耐力が必要であることを2300年前から説いています。
これからの高校生活においては、真剣に学ぶことに心がけ、部活動や学校行事等にも積極的に取り組み、社会貢献もできるよう歩み続けてください。そして、日本人としての誇りをもち、世界に通用し、将来の日本をつくる若者に育ってほしいと願っています。
令和4年3月19日
明法中学校 校長 牛来 峯聡