令和3年度 明法高等学校 卒業式
令和3年度 明法高等学校 卒業式

概要版 令和3年度 明法高等学校 卒業式 校長式辞
明法高等学校 校長 牛来 峯聡
卒業生の皆さん、卒業、おめでとう。
良き習慣を身に付け、「かっこいい若者」、「挑戦する若者」になってください。
卒業生は、共学化の一期生として、新しい明法文化を創造し、発展させていくという役割をもちながら、その期待に十分に応えてくれました。学習、部活動、学校行事、生徒会活動、ホームルーム活動などを通して、学校生活に変化と潤いを与え、共学化の二期生や三期生の模範生としてそれぞれが持てる力を充分に発揮してくれました。本校の活性化に向けて、新たな明法文化を創造し、更なる発展に向けて、大いに貢献してくれた卒業生であることを誇りに思います。
コロナ禍においても、卒業生の皆さんが、工夫をして2年次の時に力を発揮してくれた文化祭や体育祭の実施が良き思い出として今も蘇ってきます。困難な場面を生徒自治の力を結集して取り組んでくれたことは、次の後輩にも良い影響を与え、そうした積み重ねが、新たな明法文化の創造と発展に寄与していると感じております。さて、今後の社会生活、経済活動は、コロナ禍の影響により、まだ不透明感が伴っていきます。このことが卒業生の皆さんにどのような影響を与えるのか、予測することが難しい局面でもあります。これから社会は、「ニューノーマル」になってきています。「ニューノーマル」とは、「新しい状態」のことで、社会に大きな変化が起こり、変化が起こる以前とは同じ姿に戻ることが出来ず、新たな状態が定着することを意味します。卒業生の皆さんは、今後、この「ニューノーマル」という新しい状態を伴う社会の中で、大学等などの上級学校で学問を深め、専門性を高め、自分を磨き、果敢にチャレンジする精神をもち、自らを成長させることに向き合うことになります。そこで、卒業生の皆さんが、自らを成長させるためには、これからどいう姿勢や心構えをもち、社会に貢献できるようになるかについては、様々なところで活躍をしている若者の姿にヒントがあるように思えます。それは、「かっこいい若者」、「挑戦する若者」になることだと思います。
このことを教えてくれているのが、先の東京オリンピックや北京オリンピックなどで活躍している若者の姿にあります。オリンピック以外でのスポーツ分野での活躍、芸術分野での活躍、学問分野で活躍している同じ若者の姿から学ぶことができます。各分野で活躍している若者の姿を見るたびに、心に躍動感が生まれ、自分にも何かできそうだ、やらねばならないと、そんな勇気を沢山を抱かせてくれます。かっこいい生き方とは、どんな生き方でしょうか。表面的な生き方ではなく、もっと内面的で奥深い、努力を積み重ね、挑戦することを忘れず、そして自分自身に問いをもち、自分で答えを見出す生き方です。これが今、若者が求めるべき、これからのかっこいい生き方なのです。「論語と算盤」という本の中には、「何人も平素心して良き習慣を養うことは、人として世に処する上に大切である。」と習慣の大切さをのべています。習慣は力です。
これからのコロナ禍においても、どんなに厳しい時代が到来し、激しい社会がやってきても、それを切り抜ける力、解決する力ととなるのは、良き習慣を身に付けた力です。「失敗しても恐れず、継続していく気持ちをもつ。」「結果ではなく、やり切ったかどうかに意味を見出す思考をもつ。」「自分流の目標シートを作成し、毎日取り組む。」「分からないことはその日のうちに、速やかに解決しようとする気持ちをもつ。」「真剣に本を読む。」こうした良き習慣を実践を通して身に付けることで、「かっこいい若者」「挑戦していく若者」として育ち、これから社会で直面する課題に対応できる力が身についていきます。本校の建学の精神にある「この世に生を受けたことに感謝し、知性を磨き、良き習慣を身に付け」という意味も、実際に活躍している若者の姿を思い浮かべて、どのような生き方をしているかに照らし合わせて見ると、改めてよく理解できることと思います。 本校の共学化一期生として、これからさらに前進するために、良き習慣を身に付け、「かっこいい若者」、「挑戦する若者」になることを願っています。